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川を活かしたまちづくりと一口に言っても、昔のように川で遊んだり、泳いだり、川魚を採って食べたり、船を使って交通手段としていたように川と普段の生活から深く関わりを持っていた時代から今では川は住民と関わりが薄くなってきた。その結果、安全な接し方がわかなくなってしまい、「近寄ってはならない」、「危ない場所」であるとされる。身近に川があるにもかかわらず、普段から川を意識しない生活が営まれている。
川は、今でも人の心に故郷の想いをめぐらせる風景にたとえられる。また、川の流れは人生にもたとえられるよう人の心に深く関わりを持っている。さらには、水道・下水道・農業用水・洪水など生活との密接な関わりを持ちながら、普段ほとんど意識しないけれども、日常の生活になくてはならない存在として、今も私達の暮らしを支えている。
近年では、物の豊かさから心の豊かさへ移ったことや、治水事業が進んだことにより頻繁に河川氾濫が発生しなくなったこと、さらには、境の世紀といわれる時代背景などから、身近な川という水の自然空間が住民に注目され始め、川の自然環境を活かした子どもたちの体験学習活動や生活水や生物の生態などと密接に関わる河川環境の保全改善活動が行われている。さらには、川と福祉、川と文化、川と産業など様々なまちづくりの分野で、川という空間を活かす住民のまちづくり活動が行われ始めている。
一方、川で活動をするにあたって川に潜む多くの資源をうまく利活用できないとか、川の危険を知らないで事故を引き起こしてしまったり、関係機関や他の団体との連携や情報の共有を図ることができないなど様々な壁にあたるのではないだろうか。また、教育・福祉・文化・観光など様々なまちづくりと川という資源を結びつけることができない場合も多いようである。
その解決のためには、川に対する知識(治水・歴史・洪水・自然・安全など)や技能を学んで活用できるような人材が必要となる。また、流域に住む住民も、身近にある川という資源をまちづくりに活かせることを理解することが大切である。
そこで、川とまちづくりを結びつけるため、活動におけるリーダーシップ・促進的な役割・川の良さを説明する役割などを果たせる「川の活動をコーディネートできるような人づくり」を行うのが「石狩川リバーインテリジェント認定制度(IRI=アイ・アール・アイ)」である。 |
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